憲法９．１１条陰謀論

どちらも、アメリカの謀略によるものなのです（大嘘）

ええと、kikulogでのエントリー受けて考えてたこと。遅いですが。
【憲法9条と911陰謀論、または安斎先生はどう考えておられるのだろう】

憲法９条堅持で左側という自らの立場を自覚した上で、敢えて苦言を呈してみる。
９条の会における９．１１テロ陰謀論者の跳梁跋扈を許す土壌についての考察。
自己分析と、９条支持者（ぶっちゃけ身内）との会話で感じた違和感の分析。

【大衆運動的側面】
・戦略としての「大衆運動」。まず草の根的多数の獲得を目的にした戦略。
・重視されるのは「９条支持」部分のみなので、支持する動機は問われない。
・「９条支持」であれば、あらゆる人間が入り込む余地がある。勿論、陰謀論者も。

【右側のアンチテーゼとしての側面】
・特に戦時中の狭量なナショナリズムの反省として、他者を許容する傾向。
・より寛大な度量を示すことで、右側との差別化を図る戦略もあるのかも。
・当然、陰謀論に対しても寛大となり、中にはそれを許容する余地まで出てくる。

【優先順位としての側面】≒「敵の敵は味方」
・国民一般を重視する性質上、国家や企業に対するチェックが優先する。
・その反対に、個々人に対するチェックが後回しになったり甘くなったり。
・国民･大衆を無邪気に信用し過ぎるのではないか。特に、陰謀論者までも。

【危機意識の欠如】（別にこれ、左側だけの問題ではないが）
・陰謀論に対する知識が少なく、その危険性に対して余りに無知である。
・危険性を理解してないので、あんまり考えずに陰謀論者と共に活動もできる。
・無邪気に差別主義者（但し、陰謀論者当人にその自覚はない）とも手を組める。
・獅子身中の虫でも平気で飼える。信用してれば、陰謀論者からの影響も受ける。


【対策】
誤解して欲しくないのですが、これの側面が「悪い」と言いたいのではありません。
　（あ、【危機意識の欠如】を除く。これは、立場がどうであれ「悪い」です）
要は、　『原則あれば例外あり』　ってこと。
そして、陰謀論者はその例外であることを理解して頂きたいのです。
【大衆運動】による活動の拡大は結構なのですが、運動する人間は選ばないと。
【右側のアンチテーゼ】として、他者の表現の自由に寛大なのはいいのですが、
　許容してはならぬ人もいますし、寛大になってはならない考え方もあります。
【優先順位】として、国家や企業のチェックを第一にするのは構いませんが、
　大衆の最低限のチェックも忘れずにしとかないと、えらいことになります。

【危機意識の欠如】に関しては、やはりその危険性を理解している者が、
　コツコツと陰謀論（者）の危険性を示していくのが一番なんでしょうね。

「護憲」が決して間違っているとは思いません。てゆうか、私もそうですし。
でも、憲法を守るために闘う相手は、国家や企業だけとは限らないんですよ。
国民の中における、非論理的思考（「迷信」「原理主義」）との戦いでもあるわけで。
そして、そういう思考を持つ者（陰謀論者・差別主義者･カルト等）に限って、
自分たちの権利を拡大解釈し、濫用したがるものなんです。
「権利」「自由」なんてのは、国家だけでなく彼らとの戦い（暴力的手段とは限らない）を
通して勝ち取られ、それを保持していくためにも不断の努力が必要なんですよ。
こういうのって、それこそ既に憲法でも謳ってること（１２条）なんですが、
いわゆる「護憲」の立場の人にも、そういう自覚が足りないんじゃないかなあ。