核防護学者、かく語りき

【中国核実験で19万人急死、被害は129万人に 札幌医科大教授が推計】

　中国が新疆ウイグル自治区で実施した核実験による被害で同自治区のウイグル人ら１９万人が急死したほか、急性の放射線障害など甚大な影響を受けた被害者は１２９万人に達するとの調査結果が札幌医科大学の高田純教授（核防護学）によってまとめられた。被害はシルクロード周辺を訪れた日本人観光客２７万人にも及んでいる恐れがある。

　５月１日発売の月刊「正論」６月号掲載の「中国共産党が放置するシルクロード核ハザードの恐怖」と題する論文で明らかにした。

　高田教授は２００２年８月以降、中国の核実験に伴う影響を調査した。高田教授によると、中国の核実験は１９９６年までに爆発回数で４６回。爆発威力や放射線量、気象データや人口密度などをもとに被害を推定した。（ＭＳＮ産経ニュース）
 

産経以外の大手メディアは取り上げないのに、引用されまくるこの記事。
とりあえず、この記事を一見して疑問に思った点をいくつか。

・数値の出し方が、すっごいアバウトな気がしますが。
・現地調査したように見受けられませんが、単に机上の計算じゃないの？
　　（まぁ、普通においそれと入れるような場所ではないのでしょうが）
・「日本人観光客２７万人」ってマジすか。どうして問題にならなかったの？

記事のネタ元となった、札幌医科大学の高田純教授を調べてみました。
【放射線防護情報センター】

……なんじゃこりゃ？

かなりサイコな雰囲気を感じさせる怪しいサイト。なんか見辛いなあ。
中央に「9.11の謎?!」として、「Loose Change」の動画リンクされてます。
右上に、かの「田母神俊雄氏の論文」がリンクされてます。「まず一読」
【楼蘭周辺での中共核の蛮行】右下には、「南京の真実」へのリンクが。
四川大地震に関して、四川地震震源での核爆発説を否定せず。リンク先。
他にも、サイトのリンク先には、チャンネル桜や大紀元。

更には、何を言わんとしているのか全く分からない図表・年表とか、
核被災地で活動してる変なタイトルの写真集（調査内容一切不明）とか。

正直、こりゃダメじゃん。リテラシーを微塵も感じさせない。
完全に、トンデモ認定しちゃって宜しいんでないかと。


高田純教授、今年の５月１日から調査開始したようです。暢気だねというか。
【シルクロード核の砂漠を観光した日本人の被災調査】

1964年から1996年の間に、シルクロードヘ出発して、
行方不明となった家族・友人はいませんか？

帰国後に、白血病などになった人はいませんか？
 

古くは４０年以上経過してますし、中には癌で亡くなられた方も多いでしょう。
「利用者喜びの声」ならぬ「被害者怒りの声」は、結構簡単に集められそうな。
ただ、「想定される観光客の５つのリスク」の（１）（２）は有り得ないでしょうねえ。
てゆうか、こういう酷い症状（ｂｙ世界日報）が日常的に起こってたらですね、
当時、あそこを取材してたＮＨＫの番組スタッフたちが真っ先にどうにかなって、
しかも、それ故にちゃんとした調査が為され、公表されると思うんですが。

だが、その事実が明らかにならないのはＮＨＫと反核団体による隠蔽なのです。
な、なんだってー！！（反核団体の正体を看破した「長崎原爆の展示をただす市民の会」） 

てゆうか、中国って被爆の危険がある場所を観光地にするくらいバカなの？
それから、楼蘭を観光するのって、別に日本人だけじゃないと思うんですが。
本当に放射能汚染があるなら、とうの昔に国際問題化してるはずではないかと。
まさか、海外のメディアにもＮＨＫと日本の反核団体の魔の手が……（笑）


それに関連して、最近の高田先生、色々な雑誌に寄稿されてます。
６月は、「日本の息吹（発行・日本会議）」とか、「週刊アサヒ芸能」（笑）とか。
そして７月は「正論」。極め付けは「月刊・宝島」。タイトルがまた振るってます。

「夏目雅子は何故死んだ？」～ダークサイド　中国を歩く～

彼女が若くして亡くなられたのは、『西遊記』の中国ロケのためだったんだ！
白血病は、放射線障害が原因だったんだ！　　な、なんだってー！！（ＡＡ略

……しかし、猿とか豚とか河童とか、現在も全員生き残ってますが。
いや、こういうのには個人差がありますから。影響ないとは言い切れない。
しかし、当時のスタッフも同行してますし、確率的に同じ症状が出ているはず。
それが表沙汰にならないのは、やはり日本テレビも隠蔽工作に参加して（ｒｙ
ちなみにこの話、既にwikipediaにも記載されてたりします。仕事早っ！（笑） 

結局のところ、こういうのって陰謀論的手法なんですね。
トンデモであると同時に、陰謀論者であると個人的には認識してます。
その最たる結果が、これですよ。

【中キョウの工作員と仲間へ】
高田純氏のブログ「日本シルクロード科学倶楽部」（２００９／７／３０）

以上を念頭に置いて、次回エントリーであの記事の検証をしようと考えてます。
あらかじめお断りしておきますが、個人的に中国の核実験を擁護するつもりも、ウイグルでの核被害を否定するつもりも、欠片もありません。
ウイグルでの調査と資料の公表は早急にすべきです。さもないと、どう言われるか分からん（実際に、こう言われるハメになった）。
都合の悪い情報でも、公開した方がリスクは少ないという好例ですな。 


最後になりましたが、高田純氏の洒落にならんニュースをひとつ。
これもブログ「日本シルクロード科学倶楽部」より、
【広島平和記念資料館売店で「中国の核実験」を販売する】

　本年５月、平和公園内の広島国際会議場での高田純の講演「知られざる中国の核実験災害」をお聴きになったひとりの広島市民の方が、広島平和記念資料館で『中国の核実験』が委託不可になった件で、私憤に駆られて，広島平和記念資料館に問い合わせをしたそうです。その熱意の結果、『中国の核実験』を広島平和記念資料館で扱うこととなりました。
 

あらあら。反核団体を罵倒してる人の本を、聖地で販売しますか。 
原爆記念日の広島で、核武装論ぶちかまそうとする人ほどではないにしろ、
それに近いことは主張してる人なんですよね。核武装を含む防衛力強化。
委託不可は、いい判断だったのに。

おまけに、これも洒落にならない最新ニュースをひとつ。
広島で核武装論をぶちかます当人と、長崎の原爆記念日に合同講演会！