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某日記別館(裏日記)。トンデモや時事に特化。
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元々こちらを見ていたんですが、ちょっと気になるブログを見つけまして。

すべて国民は (good2ndの日記) 
これ自体は、特に間違った記述があるわけではないのですが、
そのTBに、批判なんだか異議なんだかよく分からんエントリが出てまして。

本当は怖い日本国憲法
(404 Blog Not Found) 
間違いというより、根本的に憲法を理解している人の文章じゃありません。
そして、それに対する批判エントリも出てました。

憲法に関するよくある誤解(院生兼務取締役の独り言) 
>「よくある誤解その2~憲法は法律の仲間・・・ではない~」

ってのが、ちょっと引っ掛かりますが(いや、「かなり」か?)、
小飼氏への批判と憲法の記述に関しては、まぁ間違っちゃいない……



と、思ったんですが、参考エントリ開いてみて「あらま」。

憲法について知ったかぶりをしている 識者を見破る3つのポイント 

え~~と、これダウトです(笑)。
特に、ここの「3.私人間の問題に憲法を持ち出す。」の項。
>人権が問題になる場面は国家が国民の人権を侵害しているとき「だけ」です。
>すなわち、「公権力と私人との関係でのみ」憲法の人権が問題になります。

こういうの憲法の論点で憲法の私人間(しじんかん)効力といいますが、
かつて、ABO-FANなる血液型性格判断の人が、似たようなこと言ってました。
kikulogはなんにも知らないよ!? 
>憲法は就職時の“差別”のような、国民と民間企業の関係を何ら直接的に拘束するものではありません。
>「就職の話」でいうと、憲法に何が書いてあろうが、個別の法律での規制がなければ、差別”は合法ということになります。

それに対して、こちらもエントリを上げたことがあります。
「kikulogはなんにも知らないよ!?」も、あんまり知らないよ!?

ここで説明したように通説・判例は 間接効力説を採ってます。 

つまり、憲法の条文を直接の根拠として私人を規制するのではなく、
民法の公序良俗規定など私法の一般条項を、憲法の趣旨を取り込んで
解釈・運用することにより、私人による人権侵害を間接的に規律し、
憲法の理念と効力を私人間にも具現化させようとすること。

この人の主張は、以下のように純粋な「無効力説」ということになります。
>私人間で憲法の人権が問題になることはあり得ません。
*2(ただし例外的に奴隷的拘束からの自由(憲法18条)・勤労の権利(憲法27条)
>・労働基本権(憲法28条)は私人間にも適用されます。)

別に誰がどの説を主張しようと、それはそれで構わないのですが、
*2:学説では私人間にも憲法が適用されるという立場もありますが、裁判所はこの立場は取っていませんし、ほとんどの学者も支持していません。

「無効力説」が、あたかも「通説・判例」であるような書き方しているわけで、
ここの部分の記述は、間違いと断言してもいいでしょう。
(ただ、全体的に通してみると、これ「単なる勘違い」とは言いづらいんですよね)
(法を体系的に理解してないが故の必然というか。後日、別エントリ上げるかも)
(まあ、全くもって説の体を為してないABO-FAN氏とは比較にもなりませんが)

これは、この方が参考文献として紹介する芦部信喜『憲法』にも書かれてます。
この方のはどうか知りませんが、うちの本(第5刷)だと、P.106~113あたり。
「三、私人間における人権の保障と限界」の項です。
 (芦部信喜 『憲法・新版』 P.106)

人権は、戦後の憲法では、個人尊厳の原理を軸に自然権思想を背景として実定化されたもので、その価値は実定法秩序の最高の価値であり、公法・私法を包括した全秩序の基本原理であってすべての法領域に妥当すべきものであるから、
憲法の人権規定は私人による人権侵害に対しても何らかの形で適用されなければならない。


前のエントリにも書いたのですが、重要なので繰り返します。
憲法は私人間にでも適用されます。
但し、原則として憲法の条文そのものが直接に適用されるのではなく、
国民の代表を通して成立した法律により具現化・実体化される、のですが。


ということで、この方が批判していた各紙社説も、特に間違いじゃありません。
「プリンスホテルが憲法違反やらかした」 とか、
「プリンスホテルを憲法違反で訴えろ」 みたく、
憲法の条文を直接プリンスホテルに適用するような意味合いではありませんし。
(仮に直接適用するような意味合いであっても、学説の範囲内なら可でしょう)
冒頭の識者の言に関しても、微妙ではあるものの目くじら立てる程度のものかな。
少なくとも、「新聞の論説委員の憲法リテラシーもこの程度ということです。」
などと言ってニヤニヤしてる場合ではないと思います。


それに、やはりこの方の例示していた落合弁護士やモトケンさんなどの本職も、
憲法という文言は使ってなくても、法治主義民主主義という
法の根幹に関わる重大な危機という認識を、事件に関して持ってるんだけど。
日教組、教研集会全体集会を中止
  (弁護士 落合洋司 (東京弁護士会) の 「日々是好日」)
二流ホテルの証明 (元検弁護士のつぶやき)
 

憲法をアピールする後半部分とか、結構いいこと書いてるんですが、
本当に憲法や人権概念などを理解していて、それを広めようと考えてるなら、
プリンスホテルの事例でこういう危機感は持ってて然るべきだと思うんですが。
それに学術的な記述を用いて、あんまり変なこと断言して欲しくないですねえ。
小飼さんや、ABO-FANなんぞよか遥かにマシですが、
あまりに穴二つな記述が多くて、微妙な気分に。


……てな、偉そうなこと言いつつ、実はこのエントリの記述自体が、
更なる憲法知識ある人から見たら批判に晒されるものだったら、どうしよう(爆。

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無題
言及ありがとうございます。

どうも間接効力説を誤解されているように思われます。

というのは、間接効力説というのはかなり無効力説に近いものだからです。
間接効力説を端的に説明すると、このようになります。

間接効力説とは、「憲法の人権規定は『私人間には適用されない』が、民法の一般条項等を通して人権規定の趣旨を斟酌する」というものです。
すなわち、間接効力説というのは「人権規定は私人間には適用されない」ということを大前提としているのです。このことは三菱樹脂事件判決でも明らかにされています。したがって「憲法が私人間に適用されない」という主張のみをもって無効力説だとするのは誤解であると考えられます。

そして無効力説と間接効力説の違いはこの前提をもとにしてさらにその先で一般条項を使うか否かという点にあります。そして実際に一般条項を通じて違法になるというケースはほとんどないため、「人権規定は私人間には適用されない」ことだけを理解していれば、憲法の性質の重要なポイントは押さえられます。というより上記エントリーはこの点を強調するために敢えて間接効力説の説明を省いたものです。
fly-higher URL 2009/03/23(Mon)15:17:01 編集
コメントありがとうございます&レス遅くなりました
このコメントへの回答その他も込みで、次回エントリあげさせて頂きます。

近日中にどうにか。
gallery   2009/03/27 00:45
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