陰謀論者を全力で支援する石破茂

次回参議院選挙の自民党鳥取県連の公認候補・浜田和幸氏について。
そのトンデモ国際分析に関しては、以前のエントリー参照のこと。

【鳥取県の危機（自民党公認候補・浜田和幸氏に関して）】
【国際政治分析によって陰謀論を補強する者】

で、鳥取県で現在最もメジャーな自民党の政治家といえば、この人ですよ。

　　石 破　茂（公式サイト）

では、この人が浜田和幸氏についてどういう評価しているのかというと・・・・・・

【石破茂（いしばしげる）オフィシャルブログ】より。

【田村参議院議員のことなど】　2010年2月10日 (水)

今夏の参議院鳥取選挙区は、先日田村氏に代えて擁立が決定した自民党公認の浜田和幸氏（国際政治学者）、民主党公認の坂野真理氏（故・坂野自治相のお孫さん）、共産党と幸福実現党候補の四人の争いになりそうです｡ 　比例区に廻る田村氏は、選挙区ではかつて自身が戦った故・坂野氏のお孫さんを支援する、というなんとも面妖な構図ですが、浜田氏は見識･人柄ともに立派な人物で、政策に明るく熱意もあり、私も我が事と思って全力で支援しなければならないと決意しています。

【市長選など】　2010年4月16日 (金)

自民党の候補予定者である国際政治学者の浜田和幸氏は実にいい人材なのですが、とにかく圧倒的に知名度が低い。 　投票の際、知らない名前は書きようがないのですから、まずは知名度アップに総力を注がなくてはなりません。

 ・・・・・・え～っと、参ったねこりゃ。
 

「いい人材」で、「見識・人柄ともに立派な人物」で、「政策に明るく熱意もあり」、

そして「私もわが事と思って全力で支援しなければならないと決意」されてる、と。

どうも、好印象しか抱いてないみたいで（＾＾；；

何度も書きますが、浜田和幸氏の書籍やコラム・論文を読んでみれば、
あの人の国際政治分析とやらが無茶苦茶であるのは、素人目にも一目瞭然。

ならば、どうして石破氏にそういう認識が持てないのか。
 

　①.　浜田和幸氏が巧妙に尻尾を隠してるのか。
　②.　石破茂氏に人物を見る目がないのか。
　③.　あるいは、その両方か。
 

個人的には、①～③全てに可能性があると思ってます。

①に関しては、実際のところ石破茂氏だけの話ではないんですよね。
一般的にも、浜田氏がこれだけ無茶苦茶なこと言ってるにも関わらず、

氏のトンデモを指摘する記述が、メディア（ネット含む）にほとんど見当たらない。
　（経済関連でホンの少しだけ、なくはないのですが）
逆に、テレビ・ラジオに積極的に露出して、そこそこ好評価も得ているようです。
メジャーどころで、「ＴＶタックル」とか「ブロードキャスター」とか「ミヤネ屋」とか。

ちなみに、Ｙｏｕｔｕｂｅやニコニコ動画で「浜田和幸」検索かけると、
某桜チャンネルの動画がやたらとヒットするのは内緒だ（笑）。

驚くべきことに、NHK「視点・論点」に出たりもしています。
【「視点・論点」迫りくる水危機】（解説委員室ブログ）

しかし、この記述もすごく微妙。イザヤ・ベンダサンとかダンボール餃子とか。
水危機ならばと、浜田氏の著作『ウォーター・マネー』をちょっと立ち読みしたところ、
気象改変兵器みたいな話が普通に載ってて、思わずのけぞりました（笑）。

更に驚くことには、ＪＡＸＡの宇宙探査シンポジウムで特別講演までしてます。
【「太陽系大航海～そこで何を見つけ何を得るのか～」】

ＪＡＸＡも、何でまたこんな人に講演させたりなんかしたんだろ？？
こういう本を出しているので、担当者が変な勘違いでもしたのかしらん？？？

そういうわけで、浜田和幸＝トンデモと認識されてないのが現状でありますし、
普通の人が、氏を立派な国際政治経済学者だと誤解するのも無理ありません。
しかし、書籍・コラム・論文以外。講演などにおける具体的な発言内容から、
浜田氏の正体が全く見抜けないかといえば、これもそうとは思えないんですよ。

例えば上記シンポジウムには、ＳＦ作家の小川一水さんが参加しておられまして、
【宇宙探査シンポジウム】（小川遊水地＠ｂｌｏｇ）

・国際未来科学研究所、浜田和幸氏。 　話がよくわからなかったので開始１０分で退席。

・・・・・・あらま

同シンポジウムには、こちらもSF作家の野尻抱介さんも参加しておられまして、
その時の話が、野尻ボードのログ（2007年03月20日(火)19時13分44秒）に残ってます。　

＞週刊文春の浜田和幸氏の記事 　週刊文春３月２２日号に『宇宙の資源を独り占め　中国がもくろむ「月面支配」』という記事が載っています。 　この人、京都の宇宙探査シンポジウムで支離滅裂な講演をやらかして、開始１５分ほどでうんざりして退席したら、すでにロビーには松浦さんや小川さんや朝日新聞の記者が退避しておりました（＾＾；。 　記事によれば、この講演で中国の宇宙開発を批判したところ、中国側は翌日のパネル・ディスカッションへの出席をキャンセルしてきたというのですが、どこまで信じたらいいんでしょうか。 　そもそも中国が月のヘリウム３採掘をめざしているというのはハッタリでは。重水素－重水素の核融合すら実現していないのに、条件が一桁厳しい重水素－ヘリウム３核融合がものになると本気で考えてるんでしょうか。確かに実現すれば理想的なエネルギー源になりますけど。

 

・・・・・・ということで、普通の人は誤魔化されても、聞く人が聞いたなら、
「胡散臭い」「ハッタリじゃね？」と、気付くことができるのではないかと思うんですよ。
これが共著とはいえ　『「国力」会議』　なる書籍まで一緒に出しているにも関わらず、
それでいて浜田氏のアレな正体に気付くことができないというのは、
石破氏の人物眼に、かなり瑕疵があると指摘されても仕方ないと思います。

というか、これもある意味で危機管理能力の問題かもしれませんがね（笑）。

話が反れますが、以前、政治的メルクマールについて書いたことあります。
【ここがサヨク（ウヨク）の分かれ目よん】

少なくとも石破茂氏は、田母神論文に関しては明快に否定されてますし、
その思想信条やポリシーには、個人的には相容れないものもありますが、

その意見に関しては傾倒すべき人物である、という評価をしております。

ちなみに、地元では元々自民党鳥取県連は浜田和幸氏を擁立する前に、
元経済企画庁長官・相沢英之氏の三男に出馬要請しているんですよね。
そこで浜田氏以外の人が擁立されてたなら、（それほど）批判はしないんですよ。
主義主張の違いは人それぞれ。どの党・どの候補に投票するかは個人の自由。
　（まぁ幸福実現党や、その候補者だけは勘弁して欲しいところですが）
自分の批判する党に投票しても、仕方ないと思うだけの度量はあるつもりです。

・・・・・・その候補が陰謀論者でもなければ。

だからこそ、石破氏にはこういう人の応援なんかして欲しくないのですよ。
まして、自民党から立候補なんぞ、もはや悪夢。（幸福実現党からなら許すｗ）
これで石破氏が、あのトンデモ国際分析に影響された日には目も当てられない。
折角の軍事知識がパーですよ。

とにかく石破氏には、浜田氏の著作を一冊でも読むことをお勧めします。
（あの微塵も疑ってないブログ記事から察するに、まず間違いなく読んでないと思われるので）
個人的に何冊か斜め読みしているところですが、どの著作を見ても、
かな～り胡散臭い記述で溢れかえっておりますよ（笑）。

というか、少なくとも、

「全力で支援する」候補者の書籍を
一冊も読んでないのは如何なものか。
（読んだその上で浜田和幸氏を支援しているなら、もっとダメですが）