TOSS親学

先日、TLが大阪維新の会発案「と」条例で埋まってしまいました。 
家庭教育支援条例（案）

この条例、どんだけ酷いかについては以下参照のこと。 
【大阪市「育て方が悪いから発達障害になる」条例案について】 
【大阪維新の会のエセ科学的「家庭教育支援条例（案）」逐条批判】

これら批判の中に、以前から覗いてましたベムさんのもありまして。
その内容を見ていると……おや？（←シャレに非ず）
【維新の会、大阪市家庭教育支援条例（案）について】（ベムのメモ帳Ｚ）

「親学」推進議員連盟の設立総会があり、国会議員49人、代理32人、合計81人と、民間のNPOや活動団体等約180人が集まり、盛大にスタートできた。
安倍晋三元総理が会長となり、民主党の鳩山由紀夫元総理（渦中の人だが出席していた）、渡部恒三元副議長、山口那津男公明党代表、みんなの党、たちあがれ日本などの議員も出席し超党派の議連となり、私が事務局長となり司会を務めた。
TOSS代表の向上洋一氏は、7日の産経新聞でも「親学の超党派議員連盟の発足」と大きな見出し記事を書いてくれ、出席をしてくれた。TOSS（教育技術法則化運動）は全国の教員約1万人が参加している団体であり、今後家庭教育と学校教育のコラボレーションもとりたい。 

・・・・・・ほお、TOSSが絡んでましたか。これは盲点でした。

授業案については随時チェックしてますが、TOSSの方針そのものはスルーしてました。
授業案にも、「親学」「高橋史朗」など全く引っかかりませんでしたし。
（ちなみに最近だと、茂木健一郎のベストセラーを用いた授業案あるよ♪）

TOSSウォッチャーとして、これは黙っていられません！
改めて調べなおすと、「親守詩大会」という面白イベント見つけたのですが、
一足先に罪山罰太郎さんに言及されていてﾌﾟｷﾞｬｰ！
【トンデモ教育論「親学」を推進してる人たちの話（魚拓）】（俺の邪悪なメモ）

高橋史朗に熱い視線を送ってたのはお前だけじゃないんだよｺﾝﾁｸｼｮｰ！
しかもオレより文章も構成も上手くて分かりやすいじゃねえかｺﾝﾁｸｼｮｰ！
仕方ないので負け惜しみついでに補足すると、高橋史朗について言及するなら
ガチな「ゲーム脳」信者であることとセットにした方が説得力が出ますぜ、と。
（まぁ親学推進教会の評議委員に森昭雄御大が入ってるので推して知るべしですが）

完全に出遅れたので、仕方なく落穂拾い。TOSSと親学のあれこれ。

【親学を通して家庭環境を考える】（神奈川県神社庁）
教育再生繫がりで、義家・ヤンキー・弘介センセイも参戦してるぞ！
当然ながら、山谷えり子もな！　ついでに有村治子もだ！（ついでかよ

【第一回親学セミナー】（NPO法人・埼玉教育技術研究所主催）
この中で、「親学の専門家と教師の強力タッグ！」と謳ってるけど、
両者は大昔から結びついてるよ。「ゲーム脳」という強い絆でな！
ちなみに、この桑原清四郎さんに関しては二年前にブログで言及したよ。
【「ゲーム脳」に恐怖する恐怖の学校】（もっと休むに似ている）

あと、罪山罰太郎さんはTOSSと親学についての説明で、
「※ただし、TOSSは勉強会の集合体なので『親学』に全くタッチしてない会員も相当数いるはずです」
・・・と書いておられますが、TOSSとしてはタッチさせる気まんまんみたいですよ！
【TOSS親学】
TOSSの、TOSSによる、TOSSのための「親学インストラクター認定講座」だよ！
TOSSに入ってるキミ。講習を受けて、「親学インストラクター」の資格ゲットだぜ！
行政もバックアップしてくれるみたいだぞ。信者議員さんたちが賛同してるから当然だね！
高橋史朗センセイの薫陶を受けた分身たちが、ここから巣立っていくのです。
そして、親御さんたちに「親学」と称して、あのニセ脳科学と伝統的子育て（笑）をレクチャー。
「親学」実践者喜びの声が現場に溢れ、強調された「効果」が研究成果としてフィードバック。
ニセ科学や似非教育法が、恣意的な統計により科学的根拠を有することになるのです！
（もちろん、「親学」で悪化した現場の声は無視だ！　しくじった奴の自己責任だ！）

これは、素晴らしい未来が待ってそうですね！

（つづく）

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ニュー・サイエンス・シネマ・パラダイス

新しい科学映画の楽園へようこそ♪

現代の不完全な科学を超越した科学の数々。
その科学の成果を克明に捉えた、ドキュメンタリー映画の特集です。

これから数分間、あなたの目はあなたの身体を離れ、
この不思議な時間の中に入っていくのです。



……何っ!?　「ニセ・サイエンス」の間違いだと!?

まずは大御所。河瀬直美監督作品から。
『玄牝（げんぴん）』（2010）
　（テーマ・自然出産　　　出演・協力　吉村正、吉村医院に関わる人々）




『うまれる』（2010）
（テーマ・胎内記憶　　出演・協力　大葉ナナコ、池川明、吉村正、他）




『いのちの林檎』（2010）
（テーマ・化学物質過敏症　　出演・協力　木村秋則）




『911の子どもたちへ』（2009）
（テーマ・911テロ陰謀論　　出演　きくちゆみ、ベンジャミン・フルフォード、藤田幸久）




『ＳＷＩＴＣＨ』（2011/04公開予定）
（テーマ・村上和雄ドキュメンタリー）




『ANTI-HERO アンチヒーロー／日本の正義とはなにか』（未定）
（テーマ・竹原信一阿久根元市長）







そして最後に、撮る映画の総てがニューニセ・サイエンス。
ニューニセ・サイエンス・シネマ界の巨匠。白鳥哲監督の四部作。
『ストーン・エイジ』（2006）
（テーマ　水からの伝言）


『魂の教育』（2008）
（テーマ・七田式早期教育、右脳教育　　出演・協力　七田眞）


『不食の時代～愛と慈悲の小食～』（2010）
（テーマ・甲田式断食療法）


『祈り～サムシング・グレートとの対話～』（未定）
（テーマ・サムシンググレート、水からの伝言　　出演・協力　村上和雄）






【注１】　
　邦画に限定。また、カルト宗教のアニメ、歴史修正主義の映画などは除きました。
【注２】
　「自然出産」は選択肢の一つ。「化学物質過敏症」は症状そのものは存在するという認識。
　しかし、これらは恣意的なイデオロギーに結びつき易く、扱いはくれぐれも慎重にすべき。
　少なくとも、吉村正、木村秋則などを出演・協力させたりするべきではない。

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ＴＯＳＳの、こんな授業はイヤだ

ま た 「Ｔ Ｏ Ｓ Ｓ」 かッ！！

最近に限らず、ＴＯＳＳのトンデモな授業が話題になって久しいのですが、あまりにもトンデモの範囲が広く、しかもウェブに載ってすぐに伝播するので、一つ二つを俎上に上げて批判するだけでは、到底追いつきません。
また、個別の批判に留まっていては全体として過小評価に繋がりかねませんし、ＴＯＳＳの体系的理解のためにも、現在までのおかしな授業を列挙してみました。

他にも変な授業がありましたら、コメント欄ででもご教示戴ければありがたし。
※限りなく黒に近いグレーな授業も入っていることをお断りしておきます。

水からの伝言
NEW【水からの伝言】（魚拓）
　ＴＯＳＳトークライン中学千葉（中学／総合／健康）
元祖【水からの伝言】ＴＯＳＳ　ＳＡＮＪＯ
【「ありがとう」と言おう】（魚拓）
【言霊（魚拓）】【ご飯の話（魚拓）】　ＴＯＳＳ北海道
【ＴＯＳＳ出水／ＴＯＳＳランド登録状況（魚拓）】
【ニセ科学？道徳教育「水からの伝言」を斬る】
……水伝授業リンク集だが、現在総ての授業が削除済み。


ゲーム脳
【「ゲーム脳」を学活で授業する（ブクマ）】ＴＯＳＳ水芭蕉
現在は、【「浮世絵・アニメ」を道徳で授業する】に変更されている。
ページのタイトルだけ未だに「ゲーム脳」になってるのはご愛嬌（笑）


脳内革命（擬似脳科学）
【のうみそくんは知っている】（魚拓）ＴＯＳＳ福岡
【プラス思考をうながす道徳の授業】（魚拓）ＴＯＳＳ東京西部
【いじめを考えさせる道徳授業「あなたはどっち？」】（魚拓）
【人にやさしくすると薬が出るんだよ】（魚拓）ＴＯＳＳ広島
【ありがとうって素晴らしいね】（魚拓）ＴＯＳＳ東京西部
【『いじめは必ず解決できる』（向山洋一著）】（魚拓）　ＴＯＳＳ熊本
【「いじめ」の授業】（魚拓）　ＴＯＳＳ　ＳＡＮＪＯ
【「いじめはいけない！」子どもの心にずしんと響く道徳の授業】（魚拓）
【悪口・陰口をなくすＨＲ】（魚拓）　ＦＨＨ東京
【いじめが生み出すもの】（魚拓）　ＪＨＳ滋賀
【いじめの解決を考える～『わたしのせいじゃない』～】（魚拓）
【プラス思考】（魚拓）

ＥＭ　ＴＯＳＳランド検索結果【環境の授業＞ＥＭ】（魚拓）より
【ＥＭを知ろう！】（魚拓）
【子どもＥＭ探偵団】　ＴＯＳＳ下野／ＴＯＳＳ栃木
　　　（魚拓　①　②　③　④　⑤　⑥　⑦　⑧　⑨　⑩　⑪　⑫　）
【ＥＭでプール掃除】（魚拓）
【総合的な学習でＥＭを教える】（魚拓「実際の授業」）ＴＯＳＳアンバランス福島
【環境教育－ＥＭ（有用微生物群）の力－の授業】（魚拓）ＴＯＳＳ大阪風来坊
【１００％成功のＥＭたい肥づくり】（魚拓）
【２年生のＥＭ実践１年間　桜草とキンセンカの証明】（魚拓）
【環境問題を根本的に解決する可能性をもつＥＭ】（魚拓）
　　　・失敗しないＥＭ生ゴミ処理（以下、魚拓）
　　　　　　布石編／回収編／熟成・発酵編／埋め戻し編／活用編
　　　・教室でそのまま映せるＥＭ成功事例写真（写真一覧）
【ＥＭくん】（魚拓）
【ＥＭをつかって自由研究をしよう】（魚拓①　②　③　④　⑤）ＴＯＳＳ下野
【自由研究「ＥＭのはたらき」】（魚拓①　②　③　④　⑤）
【日本の歴史の９９．６％は、ごみの少ない社会だった】（魚拓）ＴＯＳＳ福島
【ＥＭの効果・宣伝は、４年理科「ヘチマ」で】　ＴＯＳＳ宮崎
　　　　　　　（魚拓　４月からの取組　購入先、準備物、参考文献）
【環境教育－「蘇れ森林！」の授業】（魚拓）


七田眞
【根本幼児教育直伝】（魚拓）ＴＯＳＳ体育授業研究会代表
【子育て中のお母さんへおすすめの本】（魚拓）ＴＯＳＳ青梅教育サークル
・・・・・・主に０歳児教育。ドーマン法もあり。
【百だまそろばんって？】（魚拓）ＴＯＳＳふくおか


船井幸雄
【組織づくり　人間化の原則】（魚拓）ＴＯＳＳ体育授業研究会
【組織づくり　やる気化の原則】（魚拓）
【理念づくり　計画化の原則】（魚拓）


村上和雄
【遺伝子から見た「差別・いじめ」の意味】（魚拓）ＴＯＳＳ大分
【笑いの効果】（魚拓）ＴＯＳＳ福山
【『火の鳥』で人間はいかに生きていくべきかを考える】（魚拓）作州教育サークル


福岡正信
【奇跡の栽培で奇跡のリンゴ！】（魚拓）ＴＯＳＳ長崎


武田邦彦
【ペットボトルのリサイクル】（魚拓）
【紙のリサイクルからエネルギー資源へ】（魚拓）ＴＯＳＳ長崎
【ペットボトルリサイクルの罠！】（魚拓）
【リサイクルの前にできることは？～ペットボトルのリサイクルを考える～】（魚拓）


池田清彦
【外来種問題を考える】（魚拓）ＴＯＳＳ長崎


地球温暖化懐疑論
【地球温暖化の原因は】（魚拓）ＴＯＳＳ福岡


放射線ホルミシス
【放射線ホルミシス】（魚拓）ＴＯＳＳ勢い水
【放射線ホルミシス効果の授業】（魚拓）ＴＯＳＳ長崎
・・・・・・『トンデモ科学の見破り方』に好意的な記載あり。微妙な気分に（笑）。
可能性は否定されないまでも、教育現場で扱うべきか否かの問題は残ると思う。

東日本大震災による原発事故を受け、原発推進授業案を只今絶賛削除中！
　【TOSSランド検索（製作者）－松岡高史】
　【TOSSランド検索（製作者）－馬場憲貴】

経皮毒（？）
【カラーリングの害　～アジアンビューティーを見直す～】（魚拓）


新谷弘実　（参考　【ＴＯＳＳと新谷弘実】どらねこ日誌）
【病気にならない生き方】（魚拓）ＴＯＳＳ新潟
【和食の大切さ　河田孝文氏実践の修正追試】（魚拓）
【ごはんのよさを見直そう】（魚拓）
【食物せんいをとろう】（魚拓）
……参考文献　「あるある大事典」「新しい健康を考える会」
【朝ごはんパワー】（魚拓）　【魚パワー】（魚拓）　ＴＯＳＳ　ＳＡＮＪＯ
【牛乳だけでは、骨は丈夫にならない（魚拓）】
【早寝・早起き・朝ごはん】（魚拓）群馬法則化サークル
【ＴＯＳＳ新居浜　２００３年７月・８月例会報告】（魚拓）


真弓定夫
【牛乳神話　これでもまだ信じますか】（魚拓）
・・・・・・「食と健康の授業」コンテンツより。授業では用いられてはない（ことを願う）。


マクロビオティック、身土不ニ、砂糖有害説
【ようこそ　ＴＯＳＳ食の教育のページへ】（魚拓）ＴＯＳＳ愛媛
　　・白砂糖は「甘い麻薬」である（魚拓）
　　・肉食で腸が腐る（魚拓）
　　・糖尿病はインシュリンでは治らない（魚拓）
　　・医療費が文明で滅びる前に食生活の改善を
　　・主食中心の食生活に戻れ（魚拓）
【食のバランス】（魚拓）ＴＯＳＳ宮崎
【あなたの食事は大丈夫？】（魚拓）ＴＯＳＳ新潟
【食の歴史から「大腸がん」の原因を考える】（魚拓）
【学級懇談で取り上げたい食の話題「１７歳はなにを食べてきたか」】
　　（魚拓　①　②　③　④）　ＴＯＳＳアンバランス福島
【参観日に行う食の教育「砂糖の害」】（魚拓）ＴＯＳＳ青森
【食品添加物の授業　資料編】
【必読！必見！食の授業　参考文献・参考ＨＰ】（魚拓）ＴＯＳＳ兵庫
・・・・・・鈴木雅子、森下敬一、マクガバン・レポート、他

 

カマラとアマラ
【人間とは何か～カマラとアマラ～】（魚拓）
【人は人によって人になる】（魚拓）ＴＯＳＳ　ＳＡＮＪＯ
【道徳「人間とは何か」～『狼に育てられた子』より～】（魚拓）ＴＯＳＳ網走連合
【愛撫　人の心にふれる力】（魚拓）


歴史修正主義
【エネルギーで見る大東亜戦争】（魚拓）
【エネルギーと大東亜戦争】ＴＯＳＳ広島ＭＬ
【太平洋戦争は自衛戦争か】（魚拓）ＴＯＳＳ　ＳＡＩＪＯ
【日韓併合】（魚拓）　　【満州国】（魚拓）
【南京事件　南京戦で，日本軍の虐殺は本当にあったのか】（魚拓）
【南京で大虐殺はなかった！】（魚拓）
【南京事件－日本人の償い－】（魚拓）ＴＯＳＳ熊本
【真珠湾攻撃の真実】（魚拓）ＴＯＳＳ熊本
【台湾の発展にかけた日本人の気概】（魚拓）ＴＯＳＳ岡山、香川
【「百人斬り」を道徳で授業する】ＴＯＳＳ水芭蕉／ＴＯＳＳ群馬
　　（魚拓　「発問と説明（前半）（後半）」、「論文全体」）


南米の縄文土器（原田実さんに御教示戴きました。感謝）
【海を渡った縄文人】（魚拓）ＪＨＳ三重
【第５時　海を渡った縄文人の授業】（魚拓）ＴＯＳＳ大阪風来坊
・・・・・・古田武彦。


 NEW!! 江戸しぐさ

　【「江戸しぐさ」から学ぶ相手への心配り】（魚拓）ＴＯＳＳ武蔵野
　【江戸しぐさ】（魚拓）ＴＯＳＳ福岡教育研究会
　【江戸しぐさ】（魚拓）ＴＯＳＳ長崎教育サークル
　【「江戸しぐさ」に学ぶマナー】（魚拓）


その他トンデモ
【神話とは】（魚拓）ＴＯＳＳ大和
神話を神話としてではなく、現実や歴史と連なるものとして把握。
参考文献があまりにひど過ぎる。参考までに、出雲井晶の日本神話レビュー。
実際に、【歴史と神話の連続性】（魚拓）という授業まで存在する。

【「恥の文化」を脳科学で授業する】ＴＯＳＳ群馬法則化サークル
　　（魚拓　「発問と説明（前半）（中）（後半）」、「修正案」）
・・・・・・疑似科学と擬似民族学の融合したキメラな授業。気持ち悪い。

【中国人の富士山へのイメージ】（魚拓）ＴＯＳＳ静岡
・・・・・・ラストのオチが、徐福日本渡来説。

【ＴＯＳＳ道徳Ｄｉｒｅｃｔｏｒｙ／ＴＯＳＳ外、有益情報（魚拓）】
・・・・・・「船井幸雄」「飯田史彦」「フォトンベルト」

【「生活習慣病によい食べ物25」で、自分の食生活を見直す】（魚拓）ＴＯＳＳ琉球
・・・・・・「参考資料」に注目（笑）

【あなたは携帯電話に使われていませんか？】（魚拓）ＴＯＳＳオホーツク
・・・・・・趣旨は分からなくもないが、事例があまりにひどい。

【結んで相和す日本人のこころからいじめを考える】（魚拓）ＴＯＳＳ白兎
・・・・・・「村八分」が「いじめ」じゃないというのは、さすがに恐れ入った。



おまけ
【高学年女子のボスとこう付き合う】（魚拓）ＴＯＳＳ大阪
・・・・・・「一般的特徴」が、どこかの団体に当てはまるような気が。
「☆担任がクラスで一番の女ボスになる」　なるほど（笑）

【Ｙｏｕｔｕｂｅ動画をダウンロードする方法】（魚拓）
・・・・・・どこか団体のリンクポリシーの言葉を見習って欲しいと思います。

他人のものは、その「意・に・反・し・て」勝手に使えないというのが著作権法の原則です。著作権法によらなくても、そういうことは社会の道義的ルールと考えております。

【正義の味方とは･･･】（魚拓）ＴＯＳＳ　ＳＡＮＪＯ
・・・・・・謝れ！ウルトラマンガイアとＶ３に謝れ！（血涙

【のび太くんの授業】（魚拓）ＴＯＳＳ宮崎
・・・・・・絶句！　『ドラえもん』の便乗（二次創作）の便乗。
なお、オリジナルの【努力とやる気を考える…のび太くんの授業】では、
この話を導入部分にして、「脳内革命」の話に繋げていたらしい。


まとめ
調べてみて、改めて範囲の広さに驚きました。まさか村上和雄や武田邦彦まで。
つくづく、リテラシーというものを微塵も感じさせない団体だと思いました。
リテラシーがないということは、今後も新たなトンデモに引っ掛かるということ。

ＴＯＳＳがＴＯＳＳである限り、トンデモな授業案が作成されるものと思われます。
その都度、このエントリーに追記していきますので御協力の程お願いします。

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食育から教育へ

巷で話題になっております、破壊力抜群のトンデモ食育冊子。

【ちょｗｗｗｗ食育冊子ｗｗｗｗｗ】（荻上式BLOG）

荻上チキさんに、突っ込まれる部分は突っ込まれてますし、
はてなブクマも、なんか凄いことになってますし。
（なんなんですか、　ってのはｗ）

この冊子を発行している「美健ガイド社」なんですが、
会社案内見ると分かりますが、従業員５０人ほどの会社なんですね。

> 社員９名　取材・脚本スタッフ９名
> 漫画作画スタッフ２３名　CG画像処理スタッフ１１名

中小規模の会社でありますから、当然ながら作品の内容に関しては、
この会社の代表取締役である倉秀人（本名・高倉健さん）氏の
思想信条、更には偏見に至るまで、色濃く反映されていると考えられます。

その倉秀人（本名・高倉健）氏の主催する、もう一つ大きな活動がこちら。
　　　　　　　　　　　　　↓　　↓　　↓　　↓　　↓
　　　　　　　　　内閣府認証　特定非営利活動法人
【NPO･ふるさと日本プロジェクト】
　　　　　　　　　　～ふるさとを知ろう、日本を愛そう～

倉秀人（本名・高倉健）氏、このＮＰＯ法人の理事長もされておられます。
ちなみに、「美健ガイド社」と↑このＮＰＯ法人、所在地が同一です。
（東京都千代田区神田佐久間町３－３８太陽ビル２０７号　さすがに電話番号は違いますが）
主催者（代表取締役・理事長）が一緒で、所在地も全く同じですから、
実質、美健ガイド社と同一スタッフで運営されていると考えて良いでしょう。

表紙見て即ご理解頂けるように、ストレートなイデオロギーの発露とも思しき
素晴らしい漫画を、色々と発行・販売されておるようです。
【ふるさと日本プロジェクトのマンガ販売専用ページ】（数頁立ち読み可）
これは読みたいです。特に「教育勅語」「日の丸物語」「君が代物語」あたり。
食育のアレ見てると、こういう人が歴史をどう分析するか非常に興味が湧きます。
先日、今は亡き福田政権への批判と自らの歴史観など披露しておられましたが、
･･････････なんか、大体想像が付くので金まで払って読むほどではないかな。


で、この「美健ガイド社」と「ＮＰＯ・ふるさと日本プロジェクト」。
どちらが本体かといえば、「美健ガイド社」の方でして（１９８８年設立）、
「ＮＰＯ・ふるさと日本プロジェクト」は、その１４年後（２００２年）に設立。
「美健ガイド社」が２００２年時点で既にあの小冊子を発行してたこと考えると、
やはりネタ元である真弓定夫先生（講演要旨①　②）と出会って感化され、
倉秀人（本名、高倉健）さん、妙な方向に目覚めてしまったんじゃないか、
･･･と、個人的には推測しております。（間違ってたら、高倉健さんごめんなさい）



【追記2008/10/03】　→　【食育から徳育へ】

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「幸せなお産」が日本を先祖返る

『「幸せなお産」が日本を変える』
講談社＋α文庫。著者は、自然分娩を推奨する産科医・吉村正氏。

個人的には、「自然分娩」も出産における選択肢の一つだとは思ってます。
ただ、それはあくまで現代医療と比較した上で、
①自然分娩が、出産時のリスクが高いことを予め理解しており、
②不測の事態に備えて輸血等の処置が可能な病院への搬送手続が確保され、
③そしてそれらの事情につき事前に説明され、両親とも承諾している。
…という前提ありきの話です。

逆に、これらの前提さえ担保されているならば、自然出産は「生命の誕生」という人生における最大の神秘を実感でき、またその瞬間に立ち会えることができるわけで、両親にとっては替え難い巨大な感動を与えてくれましょうし、貴重な経験には違いありません。

しかし残念ながら、著者は現代科学と現代医療、そして現代医療による出産に
強い敵意を持っており、これらに対し過剰なまでの批判・罵倒をしております。
（当然、真っ当なインフォームドコンセントなど望めないと考えた方が良い）

著者の思想と現代医療に敵意・嫌悪感は、患者にまで強い影響を及ぼします。
【信仰と狂気～吉村医院での幸せなお産】（ＮＡＴＲＯＭの日記）
上記コメント欄に、病院関係者と思しき人物が乱入。なんか、すごいことに。
【吉村病院関係者降臨の巻】（幻影随想）

ちなみに、現代医療を過剰に批判・罵倒する反面、この著作の中では、
吉村医院における自然分娩のリスクに関しては、病院搬送（帝王切開）３．２％という
データ提示のみで、死産に関わるデータは一切提示しておりません。
著しく不公平・不誠実な態度とは言えるでしょう。

まぁ御本人自らが「データ嫌い」と本の中で述べておらるわけですが、
氏の提示するデータが如何にアバウトかを示す記述を挙げると

あるとき、私の講演で、こんな質問をした人がいました。  「先生はいまの産科学を否定されますが、医学が進歩し、お産を支えるようになったからこそ、周産期死亡率が下がったのではありませんか」 　たしかに、昔は１０００人のうち４０人の赤ちゃんが生まれる時に亡くなりました。今は１０００人のうち７人くらいしか死にません。それは医学の進歩のおかげではないか、とその人は言うのです。（中略） 私は思わず「バカを言え！」と言ってしまいました。４０人死ぬはずが、７人に減ったとしても、そのことは幸せか？自然に生まれれば死んでいた命を、医学の力で無理やり生かし、いっぱいの管につないだり、あちこち切ったりして、延命させたところで、はたしてそのことで人類の幸せが増したことになるのか？ ４０人死んでいた時のほうが、よほど子供はうまく育っていました。　 （中略）原始的であったほうが、人としては幸せだったかもしれない。 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（９７～９８頁）

 
話の内容もツッコミどころ満載ですが、データに絞って話を進めます。
著者の言う「今」＝「周産期死亡率７／１０００」とは、かなり昔の話です。
統計から推測すれば、１９９０年頃（今から２０年ほど前）になります。
この本の発行された２００８年現在は、もっと低下してます（３／１０００程度）。
で、著者の言う「昔」＝「周産期死亡率４０／１０００」とは、逆にそれほど
以前の話ではありません。データによれば、昭和３５年（１９６０）前後のようです。

では、著者の言う「昔」とは、１９６０年頃を指すのかと言われれば、さにあらず。
本文の中で、江戸時代の出産方法などを、かなり絶賛されておられますので、
敢えて江戸時代と仮定。「周産期死亡率」のデータなど当然ありませんのんで、
周産期死亡率と、ほぼ数値が対応している乳児死亡率に関して言えば、
著者の理想とする江戸時代（当然、自然分娩しか行なうことができない）の数値は、
驚くなかれ１８０～２００／１０００という記録が残ってます。
生まれてくる５人か６人に１人が亡くなっている計算です。
４０／１０００でも、充分に医療技術の発達してきた成果と言えます。

また、データのみならず、著者の倫理観そのものを疑わせる記述もあります。

「死ぬものは死ぬ、生きるものは生きる。死ぬものを助けてどうするのだ」 　誰と会っても、どこの講演会に行っても、私が必ず言う言葉です。（中略）いちばん誤解されやすい言葉ですが、しかし私が二万例以上ものいろいろなお産を見てきて悟った、いちばん真実をとらえた言葉でもあります。 　　　　　　（中略） 　生きるか、生きないかは神が決めることであって、医者が決めることではない。異常があるから死ぬのであって、死ぬべきものが死に、生きるべきものが生きるから、強い生命が生き延びる。それが生き物の原則です。 　しかしいまの産科学では、死ぬものを無理やり、むちゃくちゃな努力で生かしている。（中略）その一方で自然に生まれて、完全な親子関係ができるお産をわざわざぶち壊しています。生命力溢れるお産をして、愛情溢れる母になる機会を奪ってしまう。そのため生命力のない子供がどんどん増えています。結局、種そのものの生命力が衰えて、人類は滅びに向かって進んでいます。死ぬべきものは死に、生きるべきものが生きていないからです。死ぬものが死んで、なぜ悪い。死と生は表裏一体です。死があるからこそ、生が輝くのです。 　　　　　（後略） 　たしかに子供が死ぬのは悲しい。残された者は、胸が張り裂けそうになります。でもその悲しみを受け止めて生きていくのが人生であって、絶対に死んでは嫌だとダダをこねるのは、人間のエゴであり、勝手な思惑に過ぎません。お産で自然に死ぬとしたら、それは死ぬべくして死ぬ命だったからではないでしょうか。 　　　　　（中略） 　生命の力に溢れた自然なお産を破壊して、死ぬものを無理やり機会と薬の力で生かす。現代の医学は欺瞞と矛盾で満ちています。そんなものを私は容認することができません。　（１７９～１８１頁）

「死ぬものは死ぬ、生きるものは生きる。死ぬものを助けてどうするのだ」
御本人は、これが決して無責任故の発言ではない旨述べておられますが、
少なくとも、これ遺族を前にした医療関係者の用いる台詞ではないと思います。
（でも、実際に本人は用いているらしい。曰く「運命じゃ」とか）
この理屈が通用するなら、いつでも責任回避に用いることができますし、
実際にこの台詞を吐くこと自体、無責任と思われても仕方ないんじゃないかと。
 
また、死ぬべき命を救うことが人間のエゴであると縷々述べておられますが、
医療技術が未発達なために昔なら死んでいた（死なざるを得なかった）命が、
医療の発展により無事に生まれ育つことが、果たしてエゴなんでしょうか。
（必然的に未熟児は死ぬべき命ということになる。川澄綾子ファンは怒るべき）
（逆に、尊厳死、安楽死に関しては、こちらは安易に即答はできませんが）
それこそ氏の理想とする自然分娩しか手段のなかった江戸時代には、
現代と比較して５０倍以上の乳児が亡くなってるんですが、
彼らは吉村氏の言うとおり、死ぬべくして死んだ生命であり、
もし生きていたとしても「幸せ」になれない生命だったんでしょうか。

第一、現代医療に救われた命が「幸せ」に生きられないと、どうして分かるのか。
それこそ神のみぞ知るはずの、人間の生命やその人生までも、
自らの思惑で一方的に評価し、現代医療だから無価値と断ずるようなことは、
それこそ自らを「神（の代弁者）」と考えるような傲慢さではないかと思いますが。

後半からも読み取れるんですが、この本を読むにつけ、どうも吉村氏、
自然な出産か否かで、生命の価値に優劣が存在する
と考えておられるように思えてなりません。
これはこれで、ある種の優生思想と言えるのではないかと。
現に、ダーウィンの自然淘汰説を単純な優勝劣敗原理と勘違いしてますし。
（それこそ、かつてどこぞの大日本帝国で流行したような）

結論としてこの本は、客観的データに乏しい上に不誠実。
過去を徹底して美化する反面、具体的な資料・データなど考慮に入れず、
自説に適合する事象のみを、しかもアバウトに切り貼りしただけの
ほとんど「印象論」ともいうべき都合良く理想化された安易な歴史観。
そして、その安易な歴史観に基づく生命観により善悪・価値を決め付け、
倫理的にも薄っぺらく一面的。大いに問題がある書籍と断じざるを得ません。


「自然分娩」そのものに関しては、冒頭の通り評価はしているつもりです。
しかし少なくとも、この病院だけは
やめた方がいいんじゃないかなあ

実際、自然分娩以外で出産の充実感が得られないかといえば、
これもそうとは限らないと思うんですけどねえ。
【病院での出産について】（ロボット３号が行く）

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