モノサシ使用法、若しくはそれに纏わる相違

すんごく遅まきながら、思ったことをまとめてみる。
［2/23　ちょっと加筆修正］

科学というモノサシ（by幻影随想）

いわゆる疑似科学批判批判者は、科学もしくは科学者をどう考えているのか。疑似科学批判批判の類型について、モノサシを絡めて推測してみた。「それは間違いです」「他にもこんなのある」と仰る疑似科学批判批判者の方とかおられましたら、ご一報頂けると幸いです。

その結果次第で、追記あるかもしれません。

①科学者・科学信奉者は、そのモノサシで、ありとあらゆることが測れると考えている。（＝科学原理主義者）

主に、ビリーバー側、又は科学を誤解してる人が唱える疑似科学批判批判。
まるで見当違いの批判。一体、どこを向いて批判しておるのですか。
そんな科学者がどこの世界に・・・・・・と思ったら、いなくもなかった（笑）
まぁこういうホンの極一部の例外を除けば、例え科学者であろうとも、モノサシで測れないモノは基本的に測りませんし、モノサシを用いるべきＴＰＯは弁えていると考えて間違いありません。
ただ、そういう科学者が一人でもいれば、脳内の論敵原理化フィルター発動！。
科学（信奉）者全員が、科学万能を振りかざす、科学原理主義者なのであります。



②科学者・科学信奉者は、そのモノサシを、ビリーバーを叩くために用いている。

主に、この論争自体を煩わしく又は他人事のように考えている人の唱えているであろう疑似科学批判批判。恐らくは、自らを客観的だと考えている。

基本的にモノサシは測るための道具です。叩くための凶器ではありません。
このへん弁えない人は、確かに存在すると思います。ただ、分度器やコンパスや鉛筆など他の道具と同様、通常使用法以外の邪道な用い方、人を刺したり叩いたりする道具だと勘違いしてるサルやガキみたいな人は、どこの世界にも、少数ですが存在するのは間違いないでしょう。
でも、批判者の誰もがこうだとは、あんまり考えて欲しくないですね。
というか、こういう批判する人も、一匹いれば三十匹いるんじゃないかとか、一部の例外の存在を以て論敵原理化フィルターを発動させちゃったりするわけで。



③モノサシの使い方を知らない人を、バカにするかのような発言は止しましょうよ。

これ、どちらかというと私。それから、これなんかもそうなのかな。
いや、本当に頭悪い何も考えてない人とかいますし、そういうのと議論してて妙に優越感を感じてしまうのも、大いに理解できます。
でも、かつての私も、モノサシの使い方知らない（というか知ってても用いなかった）サルでしたし。こういうの信じてる人の気持ちも、痛いほど分かるんですよ。
いや、「かつて」どころか、人間誰しも何時何処で道を誤るか分からないわけですし、こういう人ってのは、もしかしたら将来の自分かもしれませんぜ。

それともう一点。議論においてバカにされれば、「絶対にモノサシ使ってやるもんか」　と拗ねられる可能性大ですし、ＲＯＭしてるギャラリーにもモノサシを用いる印象が悪くなっちゃうんじゃないかな。モノサシ普及に対するトータル的な戦術として、どうなのか。この辺、各々もうちょっと考える余地あるんじゃないでしょうか。


……と、言いつつ、但し!!

個人的には、キチンとしたモノサシの使い方を知らないのに、主観的な俺モノサシを振りかざす行為が正しいとは決して思いません。科学や学問に対して全く敬意のない人物や、俺モノサシで他人を見下して憚らない人物は、バカにされてもある程度仕方ないと思ってますし、その人の行為は断じて批判され、主張は学問的に否定されるべきであり、それが社会に蔓延するような事態など、決してあってはならないと考えてます。
陰謀論者や原理主義者、差別主義者やカルトなどに至っては、逆に容赦するべきではない、とも考えてます。

そして、こういった人物・行為に対する危機感は、誰よりも持っていると思ってます。
その危機感の理由については、後日、思いっきり述べさせて頂きます。


その上で、敢えてモノサシ普及の方法論とか考えてもらいたいんですよ。
いや私も根が芸人ですから、自分がどうかと問われれば非常に弱いのですが…（とーんだうん）。

close

論敵が必ず原理主義者となり、自分が必ず公正中立となる方法論

■論敵が必ず原理主義者となる方法
①.論敵の意見をカテゴライズしましょう。
②.では、そのカテゴリーの中で最も極端な考え方を思い浮かべましょう。
③.その極端な考え方と、論敵の意見を（意図的に）混同させましょう。
④.これで、（自分の中では）「論敵＝原理主義者」であることは証明されました。
⑤.少なくとも、そういう印象を周囲に与えられればＯＫです。
　【例】
・疑似科学を批判する人は、科学原理主義者です（大槻教授です）。
・ＵＦＯを肯定する人は、常にトンデモです。スピリチュアルです。
・憲法９条を支持する人は、極端な理想主義者です。反日工作員です。
・旧日本軍を擁護する人は、戦争主義者です。ファシストです。
・男女平等を主張する人は、常に過激な性差撤廃論者です。
　（ジェンダーフリーも男女共同参画も、ぜ～んぶジェンダーレス論者です）
・自分の意見に反対する人は、全員ユダヤ人（中共・日帝・米帝）の手先です。 


■自分が必ず「公正」となる方法
①.相手が自分に対してした批判をカテゴライズしましょう。
②.では、そのカテゴリーの中で最も極端な考え方を思い浮かべましょう。
③.その極端な考え方と、自分の考え方を比較対照しましょう。
④.自分の考え方は、そんな極端なものとは違いますね。
⑤.これで相手の批判は当てはまりません。「自分＝公正」は証明されました。
■自分が必ず「中立」となる方法
①.自分の考え方をカテゴライズしましょう。
②.その自分の属するカテゴリーの中で、最も極端な例を思い浮かべましょう。
③.その極端な例と、自分の考え方を比較対照しましょう。
④.自分の考え方は、そんなに極端に偏っていませんね。
⑤.これで自分は極端ではありません。「自分＝中立」は証明されました。
　【例】
・私は平和主義者です。戦争を嫌っています　ｂｙよしりん
・私は差別主義者ではありません　ｂｙ西岡昌紀
・私は科学的に物事を判断しています　ｂｙ遠藤維大（大尉）、紫藤ムサシ

　　【注意】
・相手が原理主義者に見えたら、自分がステレオタイプに相手を見てないか疑ってみましょう。
・自分が公正中立だと思えたら、本当に自分自身を客観的に見れているのか疑ってみましょう。

close

「あとは見た方の判断に委ねます」

カテゴリーに「トンデモ（心理）」を追加。

（mixi日記の、ほぼ転載）
タイトルは、トンデモビデオ『ボーイングを捜せ』まえがきより。 

これ映画制作者の責任回避であると同時に、もう一つ効果があるんじゃないか。
つまり「我々は強制していない」ってことは、このビデオを無批判に信じ込んだ人は、「（強制ではなく）自分の意思で判断した、考えた」という確信を勝手に抱いてくれる、という効果。

「自分の意思で判断した」という確信に至った瞬間、その確信が「他人の考えを鵜呑みしただけかもしれない」という、自己判断過程への疑問を持つことを妨げてしまう。その結果、他人から「（教祖・教義・陰謀論の）鵜呑みではないか」と批判されても、「その批判は自分には該当しない」「自分の意思で信じているのだ」と考えてしまうことに。

同様なことは「バランスを取る」にも言えるんじゃないかと。
「自分はバランスを取っている」という確信に至った瞬間、自分の考えるバランスの中心が偏ってるんじゃないか（ぶっちゃけ、自己中心的なバランス感覚で物事を判断してるんじゃないか）、という疑念は雲散霧消してしまう。

逆に言えば、人間誰しも「他人の受け売りではなく、自分の判断・考え方を持ちたい」「バランスの取れた、公正な視点を持ちたい」という願望が存在するということではありましょう。そして「あとは見た方の判断に委ねます」「バランスを取らなければ」という文言は、その願望を満足させてくれるテクニックだとも言えるのではないかと。それ言ってる本人にその気があるかどうかは知らんですが。


『OFFである』という意識が注意力を解除させる。（中略）心理の死角さ
　　　　　　　　　　　　福本伸行『アカギ』４巻第33話。

「自分で判断している」「バランスが取れている」と思った瞬間、その部分――自分の判断やバランス感覚――の、自己評価・自己懐疑が「OFF」になり心理の死角に隠れてしまう。サスペンスや刑事ドラマなどで、一度探した部屋は二度も探さないみたいな。その部分の注意力（リテラシー能力）が解除されてしまい、あとはトンデモや陰謀論者一直線。
手品におけるミスディレクションというか、性質の悪さは洗脳のテクニックのそれというか、心理学でも確かこういうテクがあったような。

『トンデモは、自分に当てはまる言葉で他者を批判する』
ってのも、その部分の自己評価OFFになり、心理の死角に入ってしまうことにより、極端なまでに自分に甘くなった人が陥った思考回路（末路）なのではないかと。

「その場所は、我々は2000年前に通過している」とか考えるんじゃなくて、常日頃の自己検証（懐疑）作業を忘れないようにしなければ。てゆーか、これ懐疑主義者としての最低条件ではないか、とも思ったりして。

close

ボ・ボ・ボクらは修正賛成団♪

修正主義に関する一考察　（ｍｉｘｉ日記のまとめ）

事実の一部を拡大・縮小・変更したり独自の解釈したり して、
対象物をより素晴らしいものとして紹介する手法がそうであれば、
池田憲章さんの語る特撮やアニメ、小野耕世さんの語るアメコミ、
野田昌宏さんの語る海外ＳＦなど、そのものズバリではないかと。
何と言っても、紹介の方が作品そのものより面白いわけで（笑）。

 

同様に、オタク談義のトーク、オタク大賞におけるパネリストの話なども、
更には、と学会の活動なども、より面白くアニメ見たり、本を読んだりするための、
修正主義的手法を用いた上質なエンターテイメントと言えるのではないか。 

これらと路線は違いますが、
矢追純一さん、並木伸一郎さん、韮澤潤一郎さん、中岡俊哉さんなどの話も 、
どうみても本物のＵＦＯ・超常現象・ＵＭＡ等より面白くなってるわけで（爆
やはり同様の評価ができるのではないかと。（ネタか天然かは不問の方向でｗ）
ただ、これらの場合は事実と誤認せしむる可能性が少なくないので、
微妙ではあるんですよね。リテラシーのない人ごめんなさいというか。

どうしてこうも修正主義を擁護するかというと、うちのバカ漫画なども
同様の手法（上記の方々と比較して程度は全然低いですが） 用いていたりするので。
すみませんホントごめんなさい＞作者・出版社。
つまりは　 「修正主義的手法バンザイ」 　ってことで（笑）

ただ、私としても修正主義的手法をネタとして用いている関係上、
本物の(?) 修正主義者との相違を明確にしておかないとマズイ。 

まず、メビウスみたくフィクションを修正するのは問題ないでしょう。
「事実」の拡大・縮小・変更・改竄・ご都合主義な解釈するのは宜しくない。
歴史ならば歴史修正主義。科学ならばニセ科学。宗教ならばエセ宗教。
ＯＫだとすれば、最初からフィクションであることが自明である場合。
フィクションだと最初から明記してある場合。ＳＦとか架空戦記とか。
しかし、事実と誤認せしむるような用い方すれば、やはりＮＧでしょ。
第三の選択とか、あるあるとか、実はポエムでしたとか。

これから数十年も経過すれば、入門したてのＩＤ論者の誰ぞが、
これこそ「偉大なる知性」だ！　科学雑誌でも認められていたのだ！
…とか主張するんじゃなかろうか、と、もう不安で不安で。
+　　　+　
　 ∧＿∧ 　+
　（0゜・∀・）　　　ワクワクテカテカ
　（0゜∪ ∪ + 　　　　　　　
　と＿_）__）　+ 　　　　　　　……ＡＡなど使ってみた。


で、結論。

「修正主義とは、事象を分かり易く（都合良く）理解するためのツールであり補助線である」

とか言ってみる。
複雑で分かり難いモノを、修正主義で理解し易いようカスタマイズ。 
そうすれば、自分なりに事象を理解でき（たような気分にさせてくれ）ると。
カスタマイズする際には、とにかく自分に理解し易くするのが優先。
陰謀論という補助線引けば、9.11もアポロも大東亜戦争もあっさり理解。
その際は、情報を自分の都合に合わせて拡大・縮小・変更・改竄・勝手な解釈。
自分の理解を越える情報は、今持ってるネタだけで自分なりにアレンジ。
さすれば、矛盾は起こらない。いや、人からどう見られようとオレはオレ。
修正した時点での、妙な信念やらイデオロギーやら偏見やら誤解やらが
修正行為の中に混じっちゃってるけど、まぁ気にしない気にしない♪


……結果、やっぱり　「物語」　に近くなっちゃう（それも安っぽい）。

・家出のドリッピーみたく水が意思を持っていたり。いや、ポエムか。
・架空戦記みたく、自国が絶対的正義で敵国が絶対悪だったり。
・この世界（国）を陰から操る組織なり陰謀なりが存在したり。
・学者とは、非社交的で一般常識に無知な柔軟性のない石頭だったり。
・とかく自分は物事を深く考えているが、相手は底の浅いバカだったり。

でも、こうカスタマイズすれば優越感に浸れますし世の中クリアに見えますし
なんつったって総てを理解できるような気がするのは大きな魅力でしょう。
限りなく自分に都合の良い世界（＝楽園）なら、愛そうという気にもなります。
　　（逆に、自分に都合良くなければ愛せないのだろうか）
この都合の良い楽園を守らねば、 という強烈な使命感にも駆られましょう。
その楽園は自分に都合良い世界なので、多くは単純に二元的であり、
脳内で役割を与えられた悪役を排除すれば、ハッピーエンドが訪れます。
てゆーか、訪れるはずなのです。夜神月入ってますかそうですか。



以上、「修正主義」を修正して馴染み易くカスタマイズしてみました。

close