これが、9.11テロ自作自演説!! しかも、平和主義者が揃いも揃って引っ掛かった「
制御解体説」なら
まだ理解できなくもないですが、(って、そもそもダメなものはダメですが)
浜田氏の場合、航空機を何者かが遠隔操作したという「
リモートコントロール説」。
『アフガン暗黒回廊―アメリカ「軍産複合地下帝国」の陰謀』(講談社)(現在『ブッシュの終わりなき世界戦争』に改題。講談社アルファ文庫)に載ってるようですが、
手元に本がないので、Webでこの本が引用されている記事を紹介しますと……
【9.11テロのハイジャック機は遠隔操作されていた!?】(ケイ・ミズモリ)
9.11テロを目の当たりにしてペンタゴンの関係者は、「これは大変だ。遠隔操縦の特殊コードが盗まれた可能性がある」と言って驚愕したという。
ホロコースト否定論でお馴染み(?)、
木村愛二の元ネタにもなってます。
【電網木村書店 Web無料公開 『9・11事件の真相と背景』】 より、
●リモートコントロール説の技術的可能性
最初、飛行機をリモートコントロールによってWTCにぶつけた、という意見があるのを知ったのは、浜田和幸『アフガン暗黒回廊』(講談社)134頁以下の記載からだった。浜田によれば、アメリカ陸軍先端技術研究所(SAMS)の研究員が、ハイジャックされた飛行機を地上から誘導させるグローバル・ホーク技術を使えば、誰も乗っていなくても、民間機をハイジャックしたように見せかけるような遠隔操縦ができる、というのである。
さらに浜田は、ペンタゴンの関係者が「遠隔操縦の特殊コードが盗まれた可能性がある」と驚愕した、と指摘する。
●携帯電話の請求書が発行されていない?
浜田和幸『アフガン暗黒回廊/アメリカ「軍産複合地下帝国」の陰謀』(講談社)137頁には、以下のように出てくる。
「マスコミに登場し、搭乗していた家族からのメッセージを受け取ったという人々の実態は、誰も正確には検証していない。航空会社は乗客名簿の公開に応じていないからだ。その中でよく引き合いに出された携帯電話の主は、アメリカン航空11便のスチュワーデスである。彼女はボストン空港の同僚に電話し、『ハイジャック犯が何人かの乗員や乗客をナイフで殺し、操縦席に押し入り、緊急ハイジャック通報コードをオフにしたようだ』という。また彼女は、『犯人は中東の人間だ』と伝えてきたという。機内の様子も含めて、本当にそのようなメッセージが送られてきたのだろうか。」
更に更に、浜田氏のこの本の記述は、
9.11テロ陰謀論における最大の珍説! 「
純粋水爆説(ビルは純粋水爆で爆破された説)」の根拠にもなってるのです。
【≪ブッシュ親子の自作自演テロ≫】
WTCビルや国防総省の事故現場に急行した医師がガイガー・カウンターで放射能の濃度を測ったところ、通常の10倍以上が検出されたという。
その事実をワシントンの放射能情報リソースセンター、環境保護省、FBIなどに通報した。環境保護省の検査官が調査に来たが、「確かに放射能が検出されたが、吸い込まなければ問題ない」といって、お茶を濁して終わったという。その後、この放射能の件はタブーとなっているようだ。
実際、「純粋水爆説」の
リチャード・コシミズが、この本の記述を引用してまして、
【WTC小型水爆倒壊説の検証】より、 16)現場で検知された放射能つまり、9.11陰謀論の中でも荒唐無稽な部類の説の元ネタになってるのですな。
それだけでなく、元祖「
制御解体説」の雛形になっている箇所もあるようです。
テロ事件の起きる数日前に、ドイツのフランクフルトでテロ対策の国際会議が開かれた。席上、WTCビルの設計に携わった構造エンジニアの説明があり、「旅客機の衝突があっても倒壊することは無い。ジェット機の燃料は燃焼するのが早いし、2000度を超えることもない。WTCビルはそれくらいの衝撃や高熱には耐えるように設計してある。」と太鼓判を押していた。
もし、その説明が正しいとすれば、WTCビルには飛行機が衝突したと同時に別の爆弾が破裂した可能性も否定できないことになる。そのような証言は多いし、崩壊直前のビデオを検討すると、確かに幾つかの爆発音が聞こえる。報道では、ガスのメイン管が爆発したようだというが、100階周辺にそのような設備があるのだろうか。
陰謀論者というより、
陰謀論の元ネタメーカーですねこれは。
ちなみに、この本の
書評とか見てみると、浜田氏の情報ソースとして、
「ホワイトハウス、ペンタゴン、パキスタン情報部などの友人、知人らの協力を」…とかありまして、
一体どんな友人・知人なんだよ、と尋ねたくなりますな。
……で。
以前、911陰謀論の日本における源流を調べたことありました。
【9.11同時多発テロ自作自演説ユダヤ陰謀論者世界同時多発陰謀仮説】日本で最も早い自作自演説関連の書籍は、ユダヤ陰謀論者たちによるもの。
『米国同時多発テロの「謀略史観」解析』著・太田龍、他(
2001年11月1日)
この浜田和幸氏の著作、『アフガン暗黒回廊』(講談社)は、
それに遅れること二ヶ月ほどですが(
2002年1月発行。9.11テロの約五ヶ月後)、
それでも、かなり初期の段階から自作自演説を唱えていた一人だったわけです。
きくちゆみなんぞより遥かに先口。
それに加え、上記のユダヤ陰謀論者の本は、
イルミナティだの
爬虫類人類だの、
デンパな主張がメインで、陰謀の具体的な手法がほとんど載ってないのに対して
浜田氏の著作は、内容的には常識的に考えて荒唐無稽ではあっても、
具体的な自作自演の方法論にまで踏み込んでいる。一応、ソース付きで。
そして、それが元ネタとなって現在まで根強く残っている説もあるわけで、
漠然とした陰謀論を具現化させた人物の一人…という評価ができるかもしれない。
……で、そういう人が次回の参議院選挙における
自民党鳥取県連の公認候補なのでありまして…
会見した山口享県連会長は「政治経済に対する知識や経験が豊富で、
国政の場ですぐ役立てる人物」と擁立を決めた理由を説明した。
……笑えねえよ。この浜田和幸氏に関しては、地元・鳥取県出身のアレな人ということで、
以前から
西谷泰人などと一緒にウォッチ対象にはしていたのですが、
まさか、こういう形で急浮上してくるとは思いもよりませんでしたよ。
浜田和幸特集、以下のエントリに続く。
【偉大なる国際政治経済学者・浜田和幸氏】